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den-ryoku
でんりょく

den-ryoku 最初の巻

den-ryoku最初の一巻を共有いたします。このとき参加者は全員が初心者でした。良子先生の丁寧な指導は初心者以上の経験をお持ちの方にも参考になるのではないでしょうか。

2016/05/23

みなさま

 はじめまして。本屋良子です。昭和十年生まれの八十歳ですが、気分は若いつもりです。連句では東明雅先生に手ほどきを受け、オーソドックス連句を四十年近くしております。この度はメール連句をご一緒にしてみたいと思います。早速ですが、発句をそれぞれ二句私までお寄せください。締切は二五日の二二時といたします。発句は当季(初夏)で切れ字を入れてください。十七季は持っていらっしゃることと思いますので、それの発句のところをよく読んで作ってみてください。それではよろしくお願致します。良子

2016/05/26

みなさん

 三人の方より発句をいただきました。今回は初めてですので半歌仙をしたいと思います。出勝ちと言ってその都度付けていただく方法を取りたいと思います。付け句は原則三句送っていただき二日ほど考慮の日を取りたいと思います。私は旧かなでしておりますが、皆さん慣れていらっしゃらないと思いますので、新かな遣いでゆきましょう。良子

2016/05/27

みなさん

発句六句をいただきました。
①新緑や電脳端に仮想の座
千住 関屋
②藍零す空や見上ぐる桐の花
③麦畑渡る皐月の涼風や
川田さとし
④夏場所の始まり告げる太鼓かな
⑤箱眼鏡ながめて尽きぬ知音かな
山中たけを
⑥初袷童何処に集いけり
 いずれも切れ字も季語も入っています。
③よーくわかりますが、「麦畑」「皐月」 「涼風」と季語が3つ重なりました。どれか一つにしてそれを強調するように仕立て るとよいと思います。
④は素直に見たままを詠んでおられて好感を持ちました。
⑤箱眼鏡で水の底を眺めているといろんなものが見えてくる。それを「知音」という言葉で表された。「知音」は中国の故事に由来する言葉で友人、恋人、親友といった意味がありますが、ここでは少しわかりにくいのではないかと思いました。

 そんなことでパソコンを駆使していらっしゃるみなさんがこれから始められるのにふさわしい①をいただきます。新緑の美しい季節にパソコンで仮想の座を始めましょう。という意味に取りました。

新緑や電脳端に仮想の座
関屋

 脇は発句に寄り添うように付けてみてください。「新緑」が初夏の季語です。脇は初夏でも三夏でも結構です。『十七季』の脇をよく読んで付けてください。締め切りは二九日の二二時といたします。 良子

2016/05/30

みなさん
新緑や電脳端に仮想の座
千寿 関屋

① 筆もて遊ぶ明急ぐ夜
たけを
② 教え乞いつつ片手に団扇
③ スマホ片手に仰ぐ夏空
さとし
④ 顔知らぬ人思う初夏
⑤ 液晶睨み手のひらに汗
川崎まりな
⑥ 冷を注ぎて連ねたる句
⑦ 顔は知らねど楽し夏の夜
 以上七句いただきました。脇は発句に寄り添うように付けます。ちょうど短歌を詠むように付けていただきたいのです。連歌時代は捌が前句を口で詠んで、付けの連衆は口で応えたのです。みなさんも前句を声を出して詠んで、付け句を作ってみてください。発句にある題材を補うように付けます。スマホとか液晶は「電脳端」と重なります。
 ①④⑦が良く付いています。『十七季』の句数と去嫌というところを開けてください。連句は転じが命です。夜分は三句去りとなっています。表の五句目に月の定座(じょうざ)があります。脇に「夜」を出すと月(夜に出る)にさわります。
 それで⑦をいただいて「夏の日」とさせていただきます。少し気分は違うかも知れませんが、付いていると思います。
新緑や電脳端に仮想の座
千寿 関屋
顔は知らねど楽し夏の日
※三夏 自他半(自分と他人がかかわる句)
まりな
 では第三を一日二二時までに送ってください。付けも大事ですが転じも必要です。第三は人情を入れてください。付けは三句。
 連句は皆のものですので、最初は一巡します。たけをさんとさとしさんにお願いしたいと思います。良子

表の五句目:半歌仙十八句の場合は最初の六句を表と呼び、残りの十二句を裏と呼びます。
連句は句を記載した懐紙の枚数を一折、二折と数え、さらにそのそれぞれの折を表裏に分けて構成しています。歌仙三十六句の場合は懐紙二枚で、初折の表六句、初折の裏十二句、名残の表十二句、名残の裏六句という構成です。

2016/06/02

みなさん
 第三をいただきました。発句と脇で作った景色から転じないといけません。そういう意味から発句と同じくらい格のある句なのです。それでこの句だけ「第」が付きます。
新緑や電脳端に仮想の座
千寿 関屋
顔は知らねど楽し夏の日
川崎まりな
第三
① ギター弾く少女の声は空ぬけて
たけを
② 寝転びぬ独りベンチを占拠して
③ 旅ひとり挨拶するもせぬ道も
④ サングラス悪戯心高まりて
さとし
⑤ 我暮らすこの世はすべて事もなし
⑥ にはか雨セーラー服が駆け抜けて
 ①⑥が第三の形としてはよろしいのですが、「にはか雨」が夏の季語です。夏は三句続いてもよいのですが半歌仙の時は雑が良いのではないかと思います。それに五句目に月がきますのでなるべくここは天象は避けたいと思います。
 ①の形が一句としてはとても良いのですが、空が五句目にくる月と打越ます。「少女」は少し恋めいてきますので「少年」にしましょう。
新緑や電脳端に仮想の座
千寿 関屋
顔は知らねど楽し夏の日
川崎まりな
少年のギター爪弾く音のして
山中たけを
さとしさん、四句目は雑で軽く付けてください。四日二二時までにお願いします。良子

十七季によると、第三は「に・て・にて・らん・もなし」などで留めるのが普通で、大きく転じ丈高く詠むとあります。

2016/06/04

みなさん
 一巡しました。表は神祇・釈教、恋、無常、述懐、固有名詞、夢など出さないことになっています。それは一巻の序破急の序の段で、静かに始めなくてはならないからです。ちょっと窮屈ですが、もう少し待ちましょう。
 みなさんがご熱心なので、これからは一句ごとに出勝ちでゆきましょう。でもお忙しい方もあるでしょう。その時はパスしていただいて結構です。次は五句目、みなさんで三句づつ付けてください。ここは月の定座です。打越に気を付けながら秋の月を付けてください。締め切りは六日二二時です。良子

半歌仙「仮想の座」捌 本屋良子

新緑や電脳端に仮想の座
千寿 関屋 初夏 場
顔は知らねど楽し夏の日
川崎まりな 三夏 半
少年のギター爪弾く頃ならん
山中たけを 他
校舎の隅に悪戯の跡
川田さとし 場
四句目
①思い出すのは遠きスペイン
さとし
②校舎に落ちる陽は翳りゆく
③大志を抱け夢は儚し
「翳る」「儚い」などむずかしい言葉をご存じで感心しております。
この調子だと旧かな遣いでやってもよいのではーと思います。
さて、表は序破急の序の段で静かに始めるのです。したがって固有名詞も夢もなしです。②がよく付いているのですが、打越(2句目)を考えなくてはなりません。打越に「夏の日」があります。そこで校舎 を生かして「悪戯の跡」としました。慣れるまではややこしいのですがお若いみなさんはすぐ慣れますからご心配なくー。

右のメールより良子様が句に「自他場」の区分を下さいました。「半」となっているものは本来は「自他半」と記載されていたのですが、このページの都合で「半」と省略させていただきます。

2016/06/07

電緑のみなさん
 六句目秋をお願致します。前句が三秋ですので、秋の句なら何でも結構です。表の禁は守ってください。締め切りは九日の二二時といたします。良子

半歌仙「仮想の座」捌 本屋良子

新緑や電脳端に仮想の座
千寿 関屋 夏 場
顔は知らねど楽し夏の日
川崎まりな 夏 半
少年のギター爪弾く音ならん
山中たけを 他
校舎の隅に悪戯の跡
川田さとし 場
薄月が忘れた頃を照らし出し
々 秋 自
五句目
①初月夜後めたさを持ちかえる
関屋 自
②月今宵瓶の欠片をきわだたす
々 場
③満月を並び帰りぬ川の道
々 半
④串の餅弓張月をはめ込みて
々 自
⑤自転車を漕ぎて彷徨いみゆる月
たけを 自
⑥有明の窓に微睡む猫ひとり
々 場
⑦薄月が忘れた頃を照らしけり
さとし 自
⑧窓の露指でなぞって眺む月
々 自
 どの付けも「悪戯」によく付いて転じています。さすが!②⑥⑦のどれにしようかと迷いましたが、関屋さんは発句たけをさんは第三という大事な句を取っておられるのでさとしさんの⑦をいただきます。
 ただ発句、花の句以外は平句といって切れ字は使いませんので「照らし出し」に一直していただきます。同一人物の句は二句までは採用できます。

連句は舞楽の理論である序破急に準えて構成されます。初折の表は序の段なので静かに穏やかに進めることになっています。詳しくは十七季をご参照ください。

2016/06/10

電緑のみなさん
 ややこしい表が無事終りました。裏に入りますので、もう何でも結構です。ただ折立(折の初句)ですから恋句を出されると「待ちかねの恋」と言って嫌われます。前句が晩秋ですので初秋、仲秋は季戻りになりますので晩秋か三秋でよろしくお願いたします。一二日二二時が締め切りです。良子

半歌仙「仮想の座」捌 本屋良子

新緑や電脳端に仮想の座
千寿 関屋 初夏 場
顔は知らねど楽し夏の日
川崎まりな 三夏 半
少年のギター爪弾く音ならん
山中たけを 他
校舎の隅に悪戯の跡
川田さとし 場
薄月が忘れた頃を照らし出し
し 三秋 自
眺める野山色褪せもせず
屋 晩秋 自
六句目
①遥か野山の色褪せもせず
関屋 三秋 場
②笹売り留めて選ぶ短冊
々 初秋 半
③お天道様へ向かう黄落
々 晩秋 場
④友の便りを運ぶ色風
まりな(色無き風は秋ですがー)
⑤案山子の肩につがいとまりつ
々 三秋 場
⑥群れを離れて飛ぶ渡り鳥
々 三秋 場
⑦秋の田に腰曲げる農夫と
たけを 三秋 他
⑧流れを登り鮭帰郷せん
々 三秋 場
⑨便りを運ぶ渡り鳥かも
々 三秋 場
 以上九句いただきました。ここはむずかしいところで前句が夜の風景ですから、昼の情景は時間的に合いません。それから連歌からのしきたりで「文」は恋句の部類にはいります。「便りを運ぶ」というと恋の情が少し入っているでしょう。また打越(一つ前の句)は場の句ですから場の句は転じていないということになります。
 ①に人情を入れていただきます。「眺める野山色褪せもせず」とさせていただきます。近い野山なら月明りできれいに見えるでしょう。

場の句とは、人情を含まない句です。
動物や妖怪、歴史上の人物も「場」の句となります。

2016/06/13

電緑のみなさん
 ウ二句目雑の短句でお願いたします。締め切りは一五日の二二時といたします。朝形の良子ですので一五日の夜遅くても大丈夫です。良子

半歌仙「仮想の座」捌 本屋良子

新緑や電脳端に仮想の座
千寿 関屋 初夏 場
顔は知らねど楽し夏の日
川崎まりな 三夏 半
少年のギター爪弾く音ならん
山中たけを 他
校舎の隅に悪戯の跡
川田さとし 場
薄月が忘れた頃を照らし出し
し 三秋 自
眺める野山色褪せもせず
屋 晩秋 自
秋深し猫の背中は丸まりて
な 晩秋 場
ウ一句目
①残菊の山寺走る三輪車
たけを
②西伊豆の漁村の瓜坊立往生
③東洋のコートダジュール天高し
④青々と軒に吊られた酒林
さとし
⑤稲木干し雀連なり穂をつつく
⑥小豆煮る祖父の両腕逞しく
まりな
⑦秋惜しむ猫の背中は丸まりて
⑧ひらひらと残像描く秋の蝶
関屋
⑨渡り鳥暁の中声ひとつ
⑩錆鮎の飛び跳ねてをり皿の上
 面白い句を次々といただきどれにしようかと迷います。どの句も前句に付いています。打越が月という天象ですので天象や夜分、時分は避けましょう。
 ①④⑧などすばらしい付けです。ここは生類が出ていませんので⑦の猫の句をいただきましょう。「秋惜しむ」が自の句ですので「秋深し」にして場の句にしましょう。    

表六句のあと、裏十二句が続きます。
表(以下オ)と裏(以下ウ)の間にはスペースを設けました。

2016/06/16

電緑の座のみなさん
 ウ三句目雑の恋句をお願いします。締め切りは一七日二二時です。少しスピードアップします。良子

半歌仙「仮想の座」捌 本屋良子

新緑や電脳端に仮想の座
千寿 関屋 初夏 場
顔は知らねど楽し夏の日
川崎まりな 三夏 半
少年のギター爪弾く音ならん
山中たけを 他
校舎の隅に悪戯の跡
川田さとし 場
薄月が忘れた頃を照らし出し
し 三秋 自
眺める野山色褪せもせず
屋 晩秋 自
秋深し猫の背中は丸まりて
な 三秋 場
優しき息に馴染むスカート
ウ二句目
①行く人の手を隠すポケット
②雀のんきに地べた啄む
③湯舟のせまく脱衣所ひろく
④優しき息に馴染むスカート
⑤大福餅の並ぶちゃぶだい
 今回は五句どまりでした。連句の付けとして前句の場所とか人の様子に当たりを付ける方法があります。前句「猫が丸まって寝ています」その猫のいる場所には猫か自分か誰かの優しい息遣いが感じられるのです。
 その場の付けと言ってよいでしょう。①もその場の付けとしてよくついています。④の句、自、他、場どれでもオーケーです。
 ③ですが「湯舟のせまく脱衣所(四)ひろく(三)」短句の下七が四三になるのを連句では嫌います。三四がベスト、五二がベター、二五はまあまあ、四三はあまり良くないと言われています。この句はリズムのある句ですので容認できますが「せまき湯舟にひろき脱衣所」とした方が座りが良いのでは。わざと四三にして破調を狙う方法もありますが。   

2016/06/18

電緑のみなさん
 ウ四句目雑の恋離れの句をお願いたします。恋離れというのはその一句では恋句にならないが、前句と合わせて鑑賞すると恋句になる句です。例えば陳腐ですが、教会の鐘とか美しい絵などの句を付けると前々句、前句、付け句三句で恋の場面となります。締め切りは元に戻して二〇日二二時とします。良子

半歌仙「仮想の座」捌 本屋良子

新緑や電脳端に仮想の座
千寿 関屋 初夏 場
顔は知らねど楽し夏の日
川崎まりな 三夏 半
少年のギター爪弾く音ならん
山中たけを 他
校舎の隅に悪戯の跡
川田さとし 場
薄月が忘れた頃を照らし出し
し 三秋 自
眺める野山色褪せもせず
屋 晩秋 自
秋深し猫の背中は丸まりて
な 三秋 場
優しき息に馴染むスカート
を 他
テーブルの距離近すぎる初デート
屋 半
ウ二句目
①嫁入りの役目忘れる置き寝間着
たけを
②まずまずと文批評する意中の婚
③寄り道につがいの鳥の睦まじき
④テーブルの距離近すぎて初デート
関屋
⑤ストローを吸う唇はハート型
⑥組む足の膝っ小僧の透きとおる
 連句は前句と付け句を並べて短歌のように鑑賞してみるのです。うまく鑑賞できれば付いているのです。彼の優しい息遣いに初デートなのにスカートも寄り添っているようです。あんまり親しくなって、ふっと「この距離近すぎないのかな」と思ったのです。この二句で醸し出された恋の場面は機微に触れた素晴らしいものになりました。ただかな留が五句続いたことと「スカート」「デート」と同じ字で止っているのが気になります。下手に直すと元句を損ねますのでこのままにしておきます。   

2016/06/21

電緑のみなさん
 ウ五句目、雑の長句をお願いたします。前句をよく読んで付けてみてください。連句は人情句が主体です。人情句をよろしくー。締切は二三日二二時です。良子

半歌仙「仮想の座」捌 本屋良子

新緑や電脳端に仮想の座
千寿 関屋 初夏 場
顔は知らねど楽し夏の日
川崎まりな 三夏 半
少年のギター爪弾く音ならん
山中たけを 他
校舎の隅に悪戯の跡
川田さとし 場
薄月が忘れた頃を照らし出し
し 三秋 自
眺める野山色褪せもせず
屋 晩秋 自
秋深し猫の背中は丸まりて
な 三秋 場
優しき息に馴染むスカート
を 他
テーブルの距離近すぎる初デート
屋 半
卓に置かれしままの珈琲
な 場
ウ四句目
①ぐいと飲み干す苦い珈琲
関屋
②出窓に並ぶ陽に焼けた本
③楊枝咥えて済ます会計
④時早く過ぎもう帰り途
たけを
⑤追憶耽り眺める指輪
⑥誰にも見せぬ日記綴りて
⑦グラスの汗を拭う指先
さとし
⑧喫茶に響くピアノの音色
⑨窓に映った君の横顔
⑩冷めたコーヒー片付けられず
まりな
⑪いつもの道を歩かず帰る
⑫線香二本煙寄り添う
 恋離れの句、みなさん前句から実らぬ恋を予感されたようです。①②③⑥⑦⑩⑫がその場の付けで恋離れとなりました。コーヒーとカタカナで書くとウ②、③、④とカタカナが続きますし、かな留も続きますので漢字にしました。

2016/06/24

電緑のみなさん
 ウ六句目雑(無季の句)の短句をよろしくー。前句をよくにらんで感じたことを表現してください。締切は二六日二二時とします。良子

半歌仙「仮想の座」捌 本屋良子

新緑や電脳端に仮想の座
千寿 関屋 初夏 場
顔は知らねど楽し夏の日
川崎まりな 三夏 半
少年のギター爪弾く音ならん
山中たけを 他
校舎の隅に悪戯の跡
川田さとし 場
薄月が忘れた頃を照らし出し
し 三秋 自
眺める野山色褪せもせず
屋 晩秋 自
秋深し猫の背中は丸まりて
な 三秋 場
優しき息に馴染むスカート
を 他
テーブルの距離近すぎる初デート
屋 半
卓に置かれしままの珈琲
な 場
ハッケヨイにわか土俵に子らの声
を 他
ウ五句目
①三冊のノートさらりと写し終え
関屋
②看板を返し始める床掃除
③店員の目線受けつつ居続ける
④湯を沸かし今日一日を振り返り
たけを
⑤塩を撒きハッケヨイいざ立ち合わん
⑥コンビニで夕食選ぶ老紳士
 連句は前句に付いて打越(前々句)から転じてゆく文芸です。一巻にストーリーはないのです。ウ一句目から四句目までよく付いていますが、同じところを堂々巡りしています。ここらで少しがらりと転じたいのです。珈琲が置かれたままのところにハッケヨイの声が聞こえてきました。ただ元句「塩を撒き」は前句の気分を晴らそうとしています。前句の続きを言っています。連句はその場をすぱりと切って欲しいのです。

ここでショートブレイク。
質問タイムになりました。

2016/06/24

電緑のみなさん
 私が一方的にしゃべっていますが、芭蕉さんが「行って帰る心」と言われたように受け止めているみなさんのご意見も聞きたいです。質問でも何でも結構です。ギャラリーのみなさんからも何かご意見聞きたいです。良子

2016/06/24

[たけをより返信]
◆(漠然とした質問になってしまいますが)「諧謔」というものがよくわからないです。単純に「諧謔=ユーモア」と思えば良いのでしょうか。いまのところは、座の文芸ということで、座で話題が盛り上がるような気のきいた句になれば良いのかな?と、解釈していますが?!
◆もうひとつ、お捌きさまとして、韻がふまれていたときに(あっおもしろいな)とか、なにかしら注意を払ったりすることがあるのでしょうか。韻を重視する詩歌である「ラップ」というものを十代の頃に聴いていたので、連句ではどうなんだろうと気になっていました。たけを

2016/06/24

 たけをさん「諧謔」と「韻」についてのご質問お受けいたしました。俳諧というのは諧謔も含みますので、くすっとした笑い、ユーモアは連句には大切な要素です。付け句に諧謔のある句があれば付いていて転じていれば一番に採用されると思います。具体的にはそのときに説明したいと思います。
 連句や俳句は詩歌の一種ですから、もちろん韻を踏んでいる句はリズムがあってよいと思います。全部の句が韻を踏んでいる連句もありますが、今回の半歌仙では韻を踏んでいる句があれば、全体の中の一つの変化としていただきたいと思います。もちろん付けと転じが一番ですがー。良子

2016/06/27

電緑のみなさん
 ウ六句目で「夕暮」がでましたのでウ七句目で冬月をつけていただきましょう。
 月は「冬月」「寒月」「月冴ゆ」の季語を使ってもよいのですが、月に冬の季語を添えても結構です。締切は二九日二二時です。良子

半歌仙「仮想の座」捌 本屋良子

新緑や電脳端に仮想の座
千寿 関屋 初夏 場
顔は知らねど楽し夏の日
川崎まりな 三夏 半
少年のギター爪弾く音ならん
山中たけを 他
校舎の隅に悪戯の跡
川田さとし 場
薄月が忘れた頃を照らし出し
し 三秋 自
眺める野山色褪せもせず
屋 晩秋 自
秋深し猫の背中は丸まりて
な 三秋 場
優しき息に馴染むスカート
を 他
テーブルの距離近すぎる初デート
屋 半
卓に置かれしままの珈琲
な 場
ハッケヨイにわか土俵に子らの声
を 他
誰かが背なを叩く夕暮
し 半
ウ六句目
①ちとの雨なら濡れても平気
②蝋石の絵で道を塞がれ
③あらぬ方向き独りあやとり
④戯けて転び顔真っ赤っか
⑤銀玉鉄砲弾く悪ガキ
⑥ハックルベリーが大人釘さす
⑦道を横切るアリの隊列
⑧払い決まらぬ永字八法
⑨白飯に乗る梅の誇らし
⑩夕時告げる寺の釣鐘
⑪勝鬨の声響く夕暮
 前句子らが相撲を取っています。その時、その場の句①②③⑤⑦⑧⑩などが付いているのですが、前句に声が出ていますので音は重なってうるさいと思います。
 永字八法など場面は変りますが相撲から永字八法の払いを感じ取られたのでしょう。面白い発想です。相撲に見とれていたら誰かに背なを叩かれた句にしました。誰が叩いたのでしょうね。

2016/06/30

電緑のみなさん
 ウ八も冬にしてください。少し場面をおおきく展開してみてください。締切は一日二二時です。良子

半歌仙「仮想の座」捌 本屋良子

新緑や電脳端に仮想の座
千寿 関屋 初夏 場
顔は知らねど楽し夏の日
川崎まりな 三夏 半
少年のギター爪弾く音ならん
山中たけを 他
校舎の隅に悪戯の跡
川田さとし 場
薄月が忘れた頃を照らし出し
し 三秋 自
眺める野山色褪せもせず
屋 晩秋 自
秋深し猫の背中は丸まりて
な 三秋 場
優しき息に馴染むスカート
を 他
テーブルの距離近すぎる初デート
屋 半
卓に置かれしままの珈琲
な 場
ハッケヨイにわか土俵に子らの声
を 他
誰かが肩を叩く夕暮
し 半
北風に家路を急ぐ三日月
を 三冬 自
①障子戸の隙間張りても月光る
②柳葉魚焼く煙の隙に月出し
③月照らす庭の柊花溢れ
④寒月と戯れている寒太郎
⑤ジョギングの連れは冬月土手の空
⑥冴ゆる月見上げる今宵祖母の月
⑦朔風に家路小走り月も急く
⑧浮かばむと熱燗の猪口で掬う月
⑨月見上げ春支度の手止める母
⑩慰めと寒さ染み入る冬の月
⑪三日月夜ちょいと熱燗引っ掛ける
 ①障子の隙間の月光面白い。障子張るが秋の季語。④寒の字を2回使って韻を踏んだ技巧的な句。⑪素直な句で実感のこもった句です。⑦朔風というむづかしい季語を使われましたが、わかりにくいので北風にしました。一句の中の動詞はなるべく少なくしましょう。 

2016/07/02

電緑のみなさん
 ウ九句目雑の長句をお願いたします。一巻は序破急のリズムで運んでゆきます。そろそろ急の段にきました。急いで納めましょう。
 ウ一一句目は花の定座です。花の打越になりますので、あまり華やかな句は避けたいと思います。締切は四日二二時です。良子

半歌仙「仮想の座」捌 本屋良子

新緑や電脳端に仮想の座
千寿 関屋 初夏 場
顔は知らねど楽し夏の日
川崎まりな 三夏 半
少年のギター爪弾く音ならん
山中たけを 他
校舎の隅に悪戯の跡
川田さとし 場
薄月が忘れた頃を照らし出し
し 三秋 自
眺める野山色褪せもせず
屋 晩秋 自
秋深し猫の背中は丸まりて
な 三秋 場
優しき息に馴染むスカート
を 他
テーブルの距離近すぎる初デート
屋 半
卓に置かれしままの珈琲
な 場
ハッケヨイにわか土俵に子らの声
を 他
誰かが肩を叩く夕暮
し 半
北風に急ぐ家路の三日月
を 三冬 自
南の島へ向う旅客機
屋 場
「家路を急ぐ三日月」とすると主語が「三日月」になりますので「急ぐ家路の三日月」と主語は自分にしました。 ウ八句目
①五十路の習い長続きせず
関屋
②南の島へ向う旅客機
③役者揃いて盛り上る宴
 ①と③は付けがわかりにくい。②自分は北風にあらがって家路を急いでいる。空には三日月が出ていると同時に旅客機も飛んでいる。同じ場所の付けです。「北風」に対して「南」としたところに付けの工夫があると思います。冬は一句で捨ててもよろしいでしょう。

ここでもう一度、質問タイムが挟まりました。

2016/07/02

[関屋さまからの返信]
良子さん
 ご指導くださいまして、ありがとうございます。ウ八句では冬句にすることに気づかず雑句を出してしまいすみませんでした。それから「場面を大きく展開する」ことの難しさのあまり「付けがわかりにい」句になってしまったようです。
 そこで質問ですが「場面を大きく展開する」句として、この場合、どのような付けを期待して居られたのか教えていただけないでしょうか。 よろしくお願いいたします。関屋

2016/07/02

電緑のみなさん
 関屋さんからむづかしい質問がありました。もう少し上達してから説明しようと思っていたのですが、理解できる範囲で聞いてください。
 前句の付けの手がかりとして各務支考の七名八体説があります『十七季』にも出ていますのでそれを参考にしてみてください。その八体のなかで私は前句のその場、その人、その時などに狙いをつけて付け句を作っています。その方法でも転じることはできるのですが、同じ場所に停滞することが多いのです。
 連句は付けも大切ですが、転じることにより変化を楽しむことができます。八体の中に観想(前句に喜怒哀楽を感じて付ける)の付け、時宜(風俗や出来事に感じて付ける)の付け、面影(古事、古歌を思い出して付ける)の付けなどもあります。
 前句 北風に急ぐ家路の三日月
に観想の付けをするとすると、例えば風神雷神図など思いつきます。時宜の付けでは葛飾北斎の東海道五十三次図など。面影としては石川五右衛門、鼠小僧など思いつきます。
 関屋さんの南の島へ行く旅客機も大きく転換していますので大丈夫です。これでお答えになっているでしょうか。良子

感謝のメールは省略させていただきます。
本編に戻ります。

2016/07/05

電緑のみなさん
 そろそろ終りに近づきました。あと三句です。がんばって付けてください。ウ十句目、花前です。初春か仲春の季語短句をよろしくお願いたします。締切は七日二二時です。良子

半歌仙「仮想の座」捌 本屋良子

新緑や電脳端に仮想の座
千寿 関屋 初夏 場
顔は知らねど楽し夏の日
川崎まりな 三夏 半
少年のギター爪弾く音ならん
山中たけを 他
校舎の隅に悪戯の跡
川田さとし 場
薄月が忘れた頃を照らし出し
し 三秋 自
眺める野山色褪せもせず
屋 晩秋 自
秋深し猫の背中は丸まりて
な 三秋 場
優しき息に馴染むスカート
を 他
テーブルの距離近すぎる初デート
屋 半
卓に置かれしままの珈琲
な 場
ハッケヨイにわか土俵に子らの声
を 他
誰かが肩を叩く夕暮
し 半
北風に急ぐ家路の三日月
を 三冬 自
南の島へ向う旅客機
屋 場
ヤンキーと心ならずも目が合いて
な 半
①爆買いの標的となる免税店
②詰め込んだ旅の予定は分刻み
③ポケットの片道切符握りしめ
④少年の母の背探す目が潤み
⑤合いの手の羽目を外して千鳥足
⑥ヤンキーと目が合いヒヤリ苦笑い
 ①②③は少し付きすぎではないでしょうか。もう一度展開すれば、少し離れると思います。④⑤⑥付いていますが、全部言っているので散文的になっています。少し動詞を少なくしました。

2016/07/08

電緑のみなさん
 花の座になりました。連句はみんなで協力しながら楽しむ文芸です。大事な発句と月花を分け合ってきました。ここはまりなさんにぜひ花の句を付けていただきましょう。
 花というのは賞美するものです。賞美するものにはいろいろありますが、ここでは一応桜の花を賞美してみてください。ただ桜と言わないで花という言葉で表現しましょう。よろしくお願いたします。良子

半歌仙「仮想の座」捌 本屋良子

新緑や電脳端に仮想の座
千寿 関屋 初夏 場
顔は知らねど楽し夏の日
川崎まりな 三夏 半
少年のギター爪弾く音ならん
山中たけを 他
校舎の隅に悪戯の跡
川田さとし 場
薄月が忘れた頃を照らし出し
し 三秋 自
眺める野山色褪せもせず
屋 晩秋 自
秋深し猫の背中は丸まりて
な 三秋 場
優しき息に馴染むスカート
を 他
テーブルの距離近すぎる初デート
屋 半
卓に置かれしままの珈琲
な 場
ハッケヨイにわか土俵に子らの声
を 他
誰かが肩を叩く夕暮
し 半
北風に急ぐ家路の三日月
を 三冬 自
南の島へ向う旅客機
屋 場
ヤンキーと心ならずも目が合いて
な 半
プロにならんと囲う苗床
屋 仲春 自
ウ十句目
①思い返せば四月馬鹿なり
②鶯餅を食みて忘れる
③卒業式の後のため息
④リードの犬のはしゃぐ土筆野
⑤プロにならんと通う温床
⑥新入生の箸の絶妙
⑦鮒の巣離れ己に似たり
⑧安全帽に緑の羽根を
⑨初朔日に二度目の決意
⑩一目散に逃げる白魚
⑪薄氷の上すくむ足元
 ③ヤンキーと目が合ったのは卒業式だったのです。「後の」というと時系列がずれますので、そのときのことを表現するとよいでしょう。⑨初朔日というのは旧暦でいうその年の初めての一日のこと。ヤンキーと初めての一日に目が合って二度目の決意をしたという面白い発想です。
 ⑩ヤンキーと目が合ったのは白魚だったのです。白魚は怖くて一目散に逃げました。これも意外な発想です。どれも面白いのですが、⑤ヤンキーと目が合って農業のプロを目指そうと思ったのです。「温床」より「苗床」の方が仲春の季語としてプロらしいかなーと思って一直しました。

2016/07/10

電緑のみなさん
 いよいよ挙句となりました。「挙句の果て」という言葉は連句の挙句からきています。発句と脇の作者はご遠慮ということで、挙句はさとしさんにお願いたします。春の季語でこれで終りという句を作ってください。良子

半歌仙「仮想の座」捌 本屋良子

新緑や電脳端に仮想の座
千寿 関屋 初夏 場
顔は知らねど楽し夏の日
川崎まりな 三夏 半
少年のギター爪弾く音ならん
山中たけを 他
校舎の隅に悪戯の跡
川田さとし 場
薄月が忘れた頃を照らし出し
し 三秋 自
眺める野山色褪せもせず
屋 晩秋 自
秋深し猫の背中は丸まりて
な 三秋 場
優しき息に馴染むスカート
を 他
テーブルの距離近すぎる初デート
屋 半
卓に置かれしままの珈琲
な 場
ハッケヨイにわか土俵に子らの声
を 他
誰かが肩を叩く夕暮
し 半
北風に急ぐ家路の三日月
を 三冬 自
南の島へ向う旅客機
屋 場
ヤンキーと心ならずも目が合いて
な 半
プロにならんと囲う苗床
屋 仲春 自
花賞ずる声の聞こゆる土の中
な 晩春 場
ウ一一句目
①花びらが落ちてお重の柄となり
な 場
②花笑う声が聞こえる土の中
③花開く姿を水面に映したり
 半歌仙では花の句が一句、月の句が二句です。昔から日本人は月と花を賞でたのです。三句とも面白いと思いました。土の中から花が笑うのを聞きとめたのでしょう。少しわかりやすく一直しました。

これで一巻は完了すなわち満尾(まんび)しました。
このあとも校合(きょうごう)という作業につづきます。

2016/07/13

電緑のみなさん
 半歌仙「仮想の座」が満尾しました。捌としては想像力豊かなみなさんと十分楽しませていただきました。この巻を眺めてみまして障りのあるところを一直したいと思います。みなさんのご意見をお報せください。
 今回は自、他、場を下に付けました。これは同じ趣向になるのを避けるためです。ギャラリーの方も今後はどうぞ連句に参加してください。句作りは楽しいし、捌がいますので、そんなに気を使わないで連句を楽しむことができます。ではどうぞご感想をお寄せください。良子

半歌仙「仮想の座」捌 本屋良子

新緑や電脳端に仮想の座
千寿 関屋 初夏 場
顔は知らねど楽し夏の日
川崎まりな 三夏 半
少年のギター爪弾く音ならん
山中たけを 他
校舎の隅に悪戯の跡
川田さとし 場
薄月が忘れた頃を照らし出し
し 三秋 自
眺める野山色褪せもせず
屋 晩秋 自
秋深し猫の背中は丸まりて
な 三秋 場
優しき息に馴染むスカート
を 他
テーブルの距離近すぎる初デート
屋 半
卓に置かれしままの珈琲
な 場
ハッケヨイにわか土俵に子らの声
を 他
誰かが肩を叩く夕暮
し 半
北風に急ぐ家路の三日月
を 三冬 自
南の島へ向う旅客機
屋 場
ヤンキーと心ならずも目が合いて
な 半
プロにならんと囲う苗床
屋 仲春 自
花賞ずる声が聞こゆる土の中
な 晩春 場
空に向って蛙旅立つ
し 三春 場
ウ一二句目
①土筆は空へ向い旅立つ
②教えの庭に芽吹く言の葉
③若草達は根を張らんとす
 前句をよく睨んで、挙句にふさわし句ですが、打越の「苗床」と趣向が似てます。それで「土筆」を「蛙」にしました。これで生類も出ました。

2016/07/13

[関屋さまのメール]
良子さん
 満尾おめでとうございます。
読み返してみて気になるところがあるので質問します。 私としては「ウ三句目」が落ち着きません。 具体的には前句の「ート」、後句の「卓」です。 例えば「近すぎる椅子に納まる初ディナー」などに変えたいと思います。 いかがでしょうか。関屋

2016/07/14

[さとしさまのメール]
本屋さま
 満尾まで捌いていただきましてありがとうございます。途中、句を出せないときがありましたが、とても楽しい時間を過ごすことができました。
 後半に「他」の句がないのは、全体のバランスとしてそれで良いのか気になっております。 川田さとし

2016/07/15

電緑のみなさん
 関屋さんとさとしさんから感想をいただきました。明日朝早くから福岡へ出かけますので、校合の巻を送ります。その後でもいつでも一直できますので、たけをさん、まりなさん感想をお寄せください。
① ウ二の「スカート」とウ三の「デート」の留めが同字になりましたので、さしつかえない「スカート」を「ブラウス」にしました。
② ウ三の「テーブル」とウ四の「卓」が同じものですのでウ四を一直しました。
③ ウ一「秋深し」より「秋うらら」の方が中7、下5の表現にマッチすると思い一直しました。
④ ウ一1「花笑う声」が満開の桜の花が声をだして笑っているように聞こえる。それを「土の中」で聞いているものがいる。この発想がすばらしいので元句に戻しました。
⑤ 後半に他の句がないとのご指摘でした。たしかに他の句がバランスよく配置されているとよいと思います。「ヤンキー」の句は自他半になりますが、「ヤンキー」という他が出ているので、一応バランスを保っているかなーと思います。
良子

半歌仙「仮想の座」捌 本屋良子

新緑や電脳端に仮想の座
千寿 関屋
顔は知らねど楽し夏の日
川崎まりな
少年のギター爪弾く音ならん
山中たけを
校舎の隅に悪戯の跡
川田さとし
薄月が忘れた頃を照らし出し
眺める野山色褪せもせず
秋うらら猫の背中は丸まりて
優しき息に馴染むブラウス
テーブルの距離近すぎる初デート
  
手を付けられぬままの珈琲
ハッケヨイにわか土俵に子らの声
 
誰かが肩を叩く夕暮
北風に急ぐ家路の三日月
南の島へ向う旅客機
ヤンキーと心ならずも目が合いて
プロにならんと囲う苗床
花笑う声の聞こえる土の中
空に向って蛙旅立つ

於  メール文音

起首 平成二十八年五月二十七日

満尾 平成二十八年七月十三日

まりなさまからの質問のメールがみつからないのですが「転じ」についての回答です。

2016/07/18

まりなさん みなさん
 ご質問の「転じ過ぎ」ということはありません。前句に「付き過ぎ」「離れすぎ」ということではないかと思います。これは誰しも悩むところで、うまく「付いた」と思うことはあまりありません。この微妙なところを表現するのに日夜悩んでいる私です。 例として
ウ三 テーブルの距離近すぎる初デート
四  手を付けられぬままの珈琲
 この付けは同じ場所での付けでこの付けは誰しもわかる付けです。当たり前といえば当たり前の付けですね。
ウ十  プロにならんと囲う苗床
一一 花笑う声の聞こえる土の中
 この付けも苗床のある場所からの発想かと思うのですが、苗床のある土の中では花を笑う声を聞き止めているという付けでよく読んでみると味わいのある付けだと思うのです。この付けの方がウ三とウ四の付けより少し離れているが、うまくつけられたと思います
ウ十  プロにならんと囲う苗床
一一 花びらが落ちてお重の柄となり
 苗床のあるところとお重とに違和感がありますね。この付けは離れすぎているのではないでしょうか。このようにして前句と付け句の二句を一緒にして短歌のように読めれば付いていると思います。少し離れているのがベストではないでしょうか。良子

これで半歌仙「仮想の座」捌 本屋良子のメールのやりとりは終了です。お疲れ様でした。

半歌仙「仮想の座」捌 本屋良子

新緑や電脳端に仮想の座
千寿 関屋
顔は知らねど楽し夏の日
川崎まりな
少年のギター爪弾く音ならん
山中たけを
校舎の隅に悪戯の跡
川田さとし
薄月が忘れた頃を照らし出し
眺める野山色褪せもせず
秋うらら猫の背中は丸まりて
優しき息に馴染むブラウス
テーブルの距離近すぎる初デート
手を付けられぬままの珈琲
ハッケヨイにわか土俵に子らの声
誰かが肩を叩く夕暮
北風に急ぐ家路の三日月
南の島へ向う旅客機
ヤンキーと心ならずも目が合いて
プロにならんと囲う苗床
花笑う声の聞こえる土の中
空に向って蛙旅立つ

於  メール文音

起首 平成二十八年五月二十七日

満尾 平成二十八年七月十三日

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