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den-ryoku
でんりょく

猿蓑さるみの 蕉門連句

歌仙「市中は」

市中は物のにほひや夏の月
凡兆
あつし〳〵と門々の声
芭蕉
二番草取りも果さず穂に出でて
去来
灰うちたゝくうるめ一枚
此筋は銀も見知らず不自由さよ
たゞとひやうしに長き脇指わきざし
草むらに蛙こはがる夕まぐれ
蕗の芽とりに行燈あんどゆりけす
道心のおこりは花のつぼむ時
能登の七尾の冬は住うき
魚の骨しはぶる迄の老を見て
待人入し小御門のかぎ
立ちかゝり屏風を倒す女子供
湯殿ゆどのは竹の簀子すのこ佗しき
茴香うゐきやうの実を吹落す夕嵐
僧やゝさむく寺にかへるか
さる引の猿と世を經る秋の月
年に一斗の地子ぢしはかるなり
五六本生木つけたるみづたまり
足袋ふみよごす黒ぼこの道
追たてゝ早き御馬の刀持
でつちが荷ふ水こぼしたり
戸障子もむしろがこひの賣屋敷うりやしき
てんじやうまもりいつか色づく
こそ〳〵と草鞋を作る月夜さし
蚤をふるひに起し初秋
そのまゝにころび落たる舛落ますおとし
ゆがみて蓋のあはぬ半櫃はんびつ
草庵に暫く居ては打やぶり
いのち嬉しき撰集せんじふのさた
さま〴〵に品かはりたるこいをして
浮世の果は皆小町なり
なに故ぞ粥すするにも涙ぐみ
御留主おるすとなれば廣き板敷
手のひらに虱這はする花のかげ
かすみうごかぬ昼のねむたき

於  京都嵯峨野(落柿舎滞在)

首尾 元禄四年四月〜五月末

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